レンブラント作「夜警」の引っ越し

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3月27日の昼。

レンブラントが描いた集団肖像画の最高傑作「夜警」(1642)が、大がかりな引っ越しをした。幅4.54m、高さ3,79m、フレームなしでも170キロというこの巨大な絵画は、アムステルダム国立美術館が誇る珠玉の傑作。
2003年から続いていた同美術館改築工事のため南別館に展示されていたが、4月13日のリニューアルオープンを前に本館の定位置に戻されたのだ。
その大きさ故に館内では移動ができず、幾重にも厳重に梱包されて美術館の周りをぐるりと路上移動。
一帯は交通規制されて立ち入り禁止に。大勢の警察官にエスコートされて、運搬作業はゆっくりと、そして慎重に行われた。

まず、南別館の2階にある専用搬出口から出てきた木枠と特別シートで梱包された「夜警」を、搬出口外側で待ち受けていた運搬用保護ケースに収め、クレーンを使って庭に待機している運搬台の上にのせる。そして、美術館横の道を通りミュージアム広場に面したメインエントランスホールへ。この絵の定位置である2階の「夜警ホール」の床部分(下の通路から見れば天井)にある専用の搬入口からチェーンで引き上げられて、9年ぶりに定位置に帰還した。その後、10名のスタッフが3時間以上かけて壁に掛けたと言う。
これまでは床から52cmの高さに展示されていたが、混雑してもよく見えるようにと10cm高い62cmの位置に設置。これによって、「より迫力のある遠近効果を楽しめるはず」と美術館は説明している。

「夜警」はもう、永遠に門外不出です!

2003年に改築工事が始まる時にも、「夜警」は今回の逆ルートを路上移動した。
オランダがドイツ占領下にあった第二次世界大戦中には、芸術品を次々と押収していたドイツ軍の手から逃れるために、額から外して丸めた状態で、数年間リンブルグ州の洞窟に隠されていたこともある。

今回の運搬プロジェクトを無事終えて、美術館担当者は金輪際こんなことはしたくないと言った様子で「この絵はもう、永遠に門外不出です」と安堵の表情を見せた。

当初4年半と予定されていた改築工事だが、度重なるアクシデントで暗礁に乗り上げ、工事再開のメドすら立たずに放置されていた時期もある。
約10年の間工事現場と化していた芸術の殿堂。
そのリニューアルオープンは、まさに国を挙げての大イベントとなる。

<スライドショー>

「夜警」が外に出てきてから、再び美術館の定位置に入っていくまでの様子。
黄色やオレンジ、青のベストを着ているのは報道陣。BBCの旅番組のクルーの姿も。
美術館2階の外で待ち受けている、横が青いケースが運搬用保護ケース。その後ろに細長い搬出口が見える。
キューレーターたちは心配顔。
定位置の「夜警ホール」の下からチェーンでつり上げて、運搬は完了だ。

 

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De Nachtwacht (c)Rijksmuseum / other photos (c)studio frog